挽いてできる美味しいそば粉の工程と種類

「蕎麦屋によっては石臼で実際挽いている工程も店頭で見られるそば粉は数種類に分けられています。挽いた部分によって全く異なる性質を持つそば粉が出来るそばの実、そばの実からとれるそば粉のそれぞれの部分を詳しく紹介します。」

・そば粉の原料であるそばの実の中身は?

そば粉はそばの実を挽いて出来上がるもので、蕎麦専門店などだと石臼が回転し、そこからそば粉が精製されている様子も見ることができます。
そばの実を粉にし、それをそば粉と言いますが、どの穀物にも言えることですがこうした穀物は内部がいくつかの層に分かれています。
そばの実も同様で、胚芽、胚乳、子葉部、甘皮、殻の部分が存在し、胚芽や胚乳が一番内部の部分となっています。
そしてこれらは硬さも性質も、そして栄養価も異なるものとなっており、また一番柔らかい中身から粉になっていくので石臼からは最初は胚芽の粉、次に胚乳の粉、そして種皮の粉が出てきます。
綺麗に分かれてでてくるわけではなく、挽いているうちにどうして硬い部分が段々粉になっていくので完全に分けるということは出来ないのですが、柔らかい部分から粉になっていくので胚芽の一番粉、胚乳や子葉部が合わさった粉の二番粉、胚乳と種皮があわさった三番粉が順番で出てくる仕組みとなっています。

粉になりやすい柔らかい部分もあれば時間が経たないと粉にならない硬い繊維質もある、それがそばの実となっています。
そばの実の内部構造だけでそれだけの違いがあるので、そば粉もそれだけ種類があるものとなっています。
たとえば有名な更科うどん、これは胚芽胚乳の部分の一番粉を使われています。
そのままでは製麺は出来ないのでつなぎが必要な部分となっていますが、蕎麦に加工すると透き通るような白い麺が出来上がるのが特徴となっています。
そして蕎麦というよりもどちらかと言えば細うどんに近いような滑らかなのど越しと歯切れの良さ、蕎麦の風味は弱いものの食べやすい上質な品質となっているのです。
食べやすさや美しさ、そして有名な蕎麦を担っているので高級、最高品質のようにおもわれやすいですが、しっかり蕎麦の香りなどを感じたい人にとってはやや物足りない部分もあるようです。

しかし、他の蕎麦を食べられない人でも食べやすいものとなっているので有名な蕎麦として名を馳せています。
二番粉はいちばんバランスが良く、のど越しも栄養もいい部分となっているのでメジャーな蕎麦として使われやすいです。色は緑がかっていることが多いものとなっています。
蕎麦の香りも楽しますが、強すぎるわけでもないので適度なバランスが楽しめるこの部分は多くの人に食べられている部分といえます。
三番粉はやや食感は落ちてきますが、そばの実は外側にいくにつれてどんどん風味が強くなるもので、この部分はより強い蕎麦の風味が好みの人に愛されやすい部分となっています。
色も黒っぽくなっていき、そして栄養価も高いので昔から労働者の人の昼食などで愛されてきた部分です。

最後が乾麺などに使われても風味などが落ちない末粉、ぼそぼそとした食感が気になる、という声もありますが乾麺や茹で麺としては最適なのでここも余さず使われている部分となっています。
また一番粉が出る前に花粉という、更に最初の粉もあり、そこは打ち粉と呼ばれている部分であったり、そばの実一つから多様な使い道のあるさまざまなそば粉がとれるのです。
そば粉は腹もちがよくヘルシー、そして食物繊維などの栄養も詰まっているものなので、アレルギーなどが無ければ積極的に摂りたい食材となっています。

・そば粉の挽き方でも違う種類ができる

そば粉はざっくり四種類あると紹介しましたが、原料品種の違いや製粉方法、石臼の材質や回転速度でも違う風味のそば粉が出来るものとなっています。
ざっくり四種類以外ではなく、製粉の方法でまた違うそば粉が出来るので、そば粉の種類は四種類ではとどまらず、もっとたくさんの種類が世の中に出回っているのです。
原料品種も多数あり、日本国内だけではなくアメリカ産など、さまざまな品種があります。
生育段階でさまざまな違いが出てくる上に、製粉方法などによっても違いが出る、これからもそば粉の種類は工夫次第で増えていくものと考えられています。
製粉方法も昔からの石臼製粉もあれば、より量産できるロール挽きというものもあります。
石臼の場合は低生産ではありますがその分風味が守られるという特長が、そしてロール挽きは大量生産に向いているのが特長です。
製粉方法も、そしてどの時点で製粉を止めるか等でも出来るそば粉に違いは出来、そしてそれによっての特長も違います。

より味を強くするため挽き割りにしてから製粉する、丸抜きにしてから挽くことで洗練されたえぐみのない蕎麦が出来るそば粉を作る、工程一つでえぐみや味の差が出るので、工夫次第でどんなそば粉でも作れるという面白みがあります。
使用するそばの実にも種類がありますが、そばの実を挽く工程によっても香りや色が全く異なるそば粉を作ることができます。
一番粉などが最もわかりやすい呼称となってはいますが、同じ一番粉でも異なる種類のものもありますので全てが必ず同じものになるというわけではないので、使用するそば粉によってお店の味に個性が出ます。
昔の日本から現代日本まで愛されているお蕎麦はこれからも品種改良や新しい技術でまた違う種類のそば粉が生まれ、人気を呼ぶものとなっています。

・原料形状によって異なる風味が生まれる

そばの実を挽くとそば粉が出来る、これには間違いないのですが、それ以前に工程を挟むことによりまた違うそば粉が出来るものとなっています。
まずは玄そば、これは殻のついたそばの実で、よく精選して磨いたものを石臼製粉することにより透明感のある蕎麦になります。
見た目も美しいので高級感のある蕎麦として扱われることもあります。
次に挽き割り、この挽き割りは玄そばを先に挽き割ってそば殻を除去し、それから挽く工程にかけるものとなっています。
これは少し癖がでやすいそば粉ができあがり、えぐみ、くすみがありますがより味が強い蕎麦ができあがるので、蕎麦の味をしっかり感じたい方におすすめの蕎麦となっています。
蕎麦自体の味をしっかり楽しみたい方にとって嬉しいお蕎麦で、通好みの味わいとなるとも言われています。

次に丸抜き、これは玄そばの殻をすべて取り除いた状態を言います。
うすい緑色をしたこの状態から作るそば粉は色調が他のものよりも鮮やか、そしてえぐみも除去された洗練された味わいとなっています。
こうして製粉前に置く工程によっても違う風味や味わい、色合いのそば粉ができあがりますので、他にも工程が研究されています。
こだわればこだわるほどに種類が増えていくのがそば粉なので、ざっくりとした呼称はあってもその中で何種類ものそば粉がありますので、この中で理想的な蕎麦ができあがるそば粉を探すところから、理想の蕎麦作りは始まります。

三大蕎麦などもあるほどに日本食の代表格となっている蕎麦は、昔から庶民食として愛され続けてきたもの、その理由の一つが工程によってどこまでも突き詰めることができるという点もあります。
今日まで研究され、こだわり抜かれた美味しい蕎麦はそば粉になる前の段階からしっかり見定められ、加工方法を考えられたものとなっています。